最近、走り重視のクルマの価格がとても高騰しています。
その結果、免許取りたての若者が、アルバイトで貯めたお金で買える安価な中古車がほとんどなくなってしまっています。
この理由について、中古車の需要と供給の両方から考えられることを書いてまいります。
1.中古車の供給側
1.1中古車世界的な好みの変化
昔は、道行くクルマを見ていると一定の比率で走り屋のクルマがいたものです。それが、今では軽自動車やコンパクトカー、そしてワンボックス系のクルマばかり。
走りよりも、車両価格や車内空間の広さが重視される傾向があります。こんな状況が続くと、中古車市場に出てくる走り重視のクルマは減少してしまいます。
1.2環境問題
世界的な環境への意識の高まりで、走りよりも燃費を重視する方向になってきています。また、燃費規制による自動車メーカーへの締めつけが厳しくなってきており、走り重視のクルマを売りにくくなってきています。
1.3.安全装備義務化に伴うコスト上昇
平成初期の頃はそのほとんどが装備されていないか、または高額なオプションだった安全装備。現在では、ABSやエアバッグ、自動ブレーキ等はほとんどのクルマについています。
以前よりは量産されることでそれぞれの金額は低下しているものの、何も装備されないよりはもちろんコストがかかります。
現在新車で売られているクルマは、昔と比べるとそういうコストが自動的に乗った状態で買わないといけないのです。
2.中古車の需要側
2.1海外への輸出
アメリカでは、新車当時は輸入できなかったクルマでも製造後25年経過すると特例として輸入できるようになります。
クラシックカーのように、実用品ではなく芸術品として扱われているのです。ちょうど、この製造後25年を経過したクルマは平成が始まってから10年くらいまでです。
その頃の日本車のうち、R32のGT-Rやスープラはアメリカではとても人気があります。実際に、業者向けのオークションでも新車から25年経過したこれらの車種は輸出専門業者が高値で落札していくと言われています。
一方、中東はもちろんジア諸国も豊かになり、一部の富裕層は走り重視で輝いていた日本車を買えるようになってきました。
海外旅行で香港やタイに行くと、現地では数多くのGT-Rなどの走り重視の日本車が走っているのを見かけた人も多いと思います。
2.2円安
特に安倍政権になってから、国策として円安へ為替を誘導して輸出産業に有利なようにしてきました。
その結果、外国の通貨から比べると、日本円で買える日本の中古車は安くなっているということです。
以上の通り、中古車の供給側である新車販売と需要側である中古車の購入者の両方で変化が起きていることが分かります。
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